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医療安全調査委員会新設への意見

医療危機を訴える!  −個人責任追及か、医療安全か?−
拙速な医療調査委員会(医療事故調=医療安全調査委員会)の新設反対


大村秀章衆院議員(厚生労働部会長)を座長とする「医療紛争処理のあり方検討会」では、診療行為に係る死因究明制度として、新たに【医療安全調査委員会】を創設すると発表した(診療行為に係る死因究明制度等について)。新設の組織は、運営方針を定め、再発防止のため関係大臣への勧告、建議を行う中央委員会と、地方ブロック委員会ならびに、個別の評価を行う調査チームより構成され、この委員会を支える事務局を中央及び地方ブロック単位に設けるとしている。
副座長の西島英利(参議院議員)によると、これは、閣議決定によるものではなく、議員立法として提出し、補正予算で制度設計を行う(参議院議員・西島英利氏に対するインタビューby m3)模様である。

何故我々は、反対するのか?
診療中の不幸な死に関し、第三者機関が、科学的に原因を究明し、医学医療の発展と医療事故の再発防止に役立つよう機能すること、これは、我々の切なる願い である。この第三者機関の創設に関しては、医師の側でも、建設的な対案を提出する用意がある。しかし、調査結果が刑事事件の証拠となりうる第三者機関で は、死因究明の目的を果たすことはできず、ご遺族の求める真実解明も不可能となるのである。

医療調査委員会新設の問題点

■定義すら不明である医療死亡事故=診療関連死を口実に、刑事立件利用可能な体制で調査することは、良識ある医師に厳罰を与える可能性を強め、医療崩壊を呼び起こす。

一定確率で死に向き合わざるを得ない医師を、容易に容疑者扱いする体制は、間違っている。死因に関して明らかな解答が出るほど、現代医学は進歩していな い。調査と刑事手続きとの関係が整理されておらず、憲法上の保障である令状主義や黙秘権が潜脱されるおそれがあり容認できない。医師の基本的人権を守ることは、医療を守る ことである。この制度下で は、産科小児科や救命救急、外科領域、難病治療などハイリスク診療場面からの医師の離反を誘導することになる。医師職の離反の原因を取り除かなくては、医療に未来はない。

■診療担当医師の個人責任の追求よりも、システム改善を重視して、医療安全をはかるべきである。

医学医療の技術者集団である我々医師は、日々医療技術を研鑽し、連日、尊い命と向かい合っている。国際的に評価の高い日本の医療は、先進国最低の医療費に よって賄われているが、これは、医師の初心と善意と体力によって到達した誇るべきものである。国は、医療事故とされるものに関して、被害感情の処理を優先 するのか、医療安全へ向けたシステム改善を優先するのか、正しく判断すべきである。

■莫大な予算計上を必要とする医療調査委員会(中央委員会、地方委員会、各事務局)の設置を決定するには、何よりも国民的論議を重ね、充分な検討を行うべきである。百年の計に拙速は許されない。

巷では、新設される医療調査委員会は、社会保険庁が解体されることによって生じる余剰公務員の受け皿、又は、年金官僚の受け皿であると噂されている。国民のこのような 懸念が払拭できていない現状では、莫大な予算を伴う政府機関の新設には反対である。充分な時間を掛けて、国民の医療に役立つ方策を論議し、貴重な国費、医 療費が無駄にならないように制度設計をするべきである。

我々は、医療危機を深刻化させる拙速な医療調査委員会新設に反対する。


平成19年12月24日  全国医師連盟 設立準備委員会 執行部
*これは設立準備委員会のものですが、現在でも通用します。

 

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